6月例会報告 女性力が会社を変える~ダイバーシティ経営で企業変革を
2015年6月29日
報告者 株式会社山豊 代表取締役 山本千曲氏
広島経営研究会では今年度から女性の力を生かす経営を学びたいとの思いから、女性部会準備委員会を発足。川野女性部準備委員会委員長のもと女性会員が集まって企画した初めての例会に、株式会社山豊の山本千曲氏を報告者としてお迎えました。
㈱山豊は今年で創業54年目、広島菜漬の製・販売で数々の全国的な賞を受賞されている県内でも屈指の企業。「三代百年企業を目指す」との理念戦略を掲げ、山本氏のリーダーシップのもとに女性の積極的な採用、職域拡大、管理職への育成とダイバーシティ経営のモデル企業ともなっていらっしゃいます。ダイバーシティ経営とは「人を大切にする経営。働く幸せ感を味わい、社員と経営者の利益創出の源泉になる経営」と山本氏は定義づけ、そしてその真髄は「大家族的経営である」と看過。多様な人が働きやすい環境を創るために、経営者がさまざまな仕掛けや支援をきめ細かく組織に取り入れていかなくてはいけないと述べられます。従業員の平均年齢50.8歳、女性が6割を占める山豊では山本氏が率先してさまざまな取り組みをされています。誕生日月には社員に自らの手料理を振る舞い、また育休中の女性社員の子供たちを抱きしめその成長を見守る。常に社員を見つめ認める山本氏の温かいまなざしがあるからこそ、山豊のみなさまも自身の存在意義をこの会社でかみ締めて働いていらっしゃるのだろうなと伝わってきます。
「中小企業とは限られた資源、人財をどう活かせるかにかかっています。必要に迫られたからダイバーシティ経営に取り組み始めたのです。中小企業が生き残るためには社員に成長してもらうしかない。彼女たちを認めてあげることで働くポテンシャルがあがっていく。そのためにも社長は常に学び続けなければいけないのですよ」 山本氏の締めくくりの言葉が、私たちの心に深く響きました。
会員53名、オブザーバー18名の多数のご参加を頂き、来る少子高齢化による労働力減少という人口推移の課題について私たちは経営者としてどう取り組んでいくべきなのか。その一助を教えていただいた例会でした。
広島経営研 村井由香